キャビアの話

2018-1-8 Mon

FISH HOUSEで「キャビア」と言えば、オーストラリア産の小粒なブランド輸入牡蠣(シドニーロックオイスター)の事。でも今回はチョウザメの卵のキャビアの話です。
僕が料理人として働きだした二十数年前、世界の3大高級食材として有名だったのがフォアグラ、トリュフ、そしてキャビアでした。
これは今も変わらないとは思いますが、キャビアに関しては大きく生産事情が変わったように思います。元々有名だったのがカスピ海産の天然キャビアで、チョウザメの種類によってベルーガ、オシェトラ、セブルーガと、卵の大きさや色味、そして味など、さまざまな等級に分けられ高値で取引されていました。
しかし10年ほど前、乱獲からチョウザメが激減し、カスピ海産の天然キャビアは捕獲生産禁止となったのです。こうして需要と供給のバランスが崩れ世界中で養殖が行われるようになり、市場に養殖キャビアが出回るようになったのです。
でもやはり養殖に時間のかかるのがチョウザメ。そして採れる量も限られる為、いまだに高値の取引がされているのが現状です。
当店でもマスの卵「フレンチキャビア」なる小粒のイクラの様な食材は通年扱いがあるものの、チョウザメから採れるキャビアとなると年末年始のおめでたい時期だけ。そう、当店では只今小粒な生牡蠣にキャビアを載せてご提供しております。
サワークリームにエシャロット、香草のディルなどをアクセントにした、今しか味わえない宝石のような一粒です。是非この機会にお楽しみください!