近年、アジア経済の中心ともいわれる香港ですが、この国の牡蠣業界はどのような状況なのでしょうか。今回は香港の牡蠣事情のお話です。
2年に1度開催される、アジア最大の食の展示会「HOFEX」。僕も2年ぶりに生産者さんに同行させていただき、展示会はもちろん、街に点在するオイスターバーを通して、香港の牡蠣事情を知る機会となりました。
FISH HOUSEで提供している世界中の牡蠣を扱う、各国の生産者が一堂に会するのがこの展示会。僕自身も多くの国に視察に行っていますが、どの国の生産者さんも、メインの輸出先は香港を中心とするアジア諸国だと言います。
街には東京と同じく、牡蠣を食べられる飲食店が目立ち、前回訪れた時よりも需要が増えていたように思います。香港は経済的に非常に裕福なので、牡蠣も世界中から集まり、大量に消費されているのです。
アメリカ大手の牡蠣生産販売会社も香港に支社をかまえています。同社のマネージャー曰く、1週間に2回、2トンずつの生食用殻付き牡蠣や冷凍牡蠣が届き、消費され続けているとか。さらに驚いたのが、ホテルや大きな宴会会場でブッフェとしても生牡蠣が振る舞われ、その消費量は相当なもの。日本では考えられませんよね。
展示会会場では何とか香港の市場に入り込もうと、牡蠣養殖をはじめとする沢山の業者さんが世界中から集まり、プレゼンテーションがくりひろげられ、活気に満ちていました。
一方街のオイスターバーでは、日本では輸入できないフランス産の牡蠣をはじめ、南アフリカやスペイン産なども充実。そのラインナップが賑わいを見せていました。
更に、巨大なスーパーマーケットの生鮮食品売り場には、日本産の生牡蠣も陳列されており、その豊富さにも驚かされました。
色々と刺激に満ちた視察でしたが、残念だったことも。それは香港産の生牡蠣が無かったことと、世界中から届けられる生牡蠣の保管状態がいまいち不透明だったことです。
国がどこであれ、エンドユーザーの皆さまに牡蠣を楽しんで貰うには、その扱い方一つで美味しくもなればその逆もあるという事。また、飲食店としてあるべき姿を改めて再認識できたと思います。
この経験を生かしてスタッフ一同、これからも前進してまいります。