日本には、夏に旬を迎える岩牡蠣があります。いったい冬場の真牡蠣と何が違うのでしょうか? 私たち日本人がイメージする牡蠣のシーズンは、養殖産業として近年市場を賑わせている冬の真牡蠣。一方、夏がシーズンの岩牡蠣(夏牡蠣)も15年ほど前から養殖が始まり、今では夏場でも市場で見ない日がないほどになりました。
そもそも牡蠣は、真牡蠣、岩牡蠣問わず放卵すると身がやせ細り水っぽくなるため生食として出回りません。元々日本特有の品種であった岩牡蠣の特徴は、真牡蠣と違って水温が上がっても一気に放卵しないこと。放卵せずに円熟期を迎えるので、真牡蠣の後、つまり春先から夏場いっぱいがシーズンとなるのです。
基本的には天然の岩牡蠣しか存在しなかったのですが、殻付き牡蠣の需要の増加に伴い乱獲が進み、今では殆どが養殖に頼らざるを得ない状況となっています。養殖を始めて1~2年で出荷にたどり着く真牡蠣に比べ、3~4年養殖期間のかかる岩牡蠣はリスクも高くお金もかかる産業ですが、生産者の皆様の努力の結果、毎年美味しい岩牡蠣にありつけるわけです。
もちろんすべて養殖に頼っているわけではありません。日本海側の漁師さん達が素潜りで深場から採って来る天然岩牡蠣が有名ですが、千葉県の銚子や飯岡、茨城県の鹿島など関東近郊でも天然岩牡蠣の収穫が出来る為、夏場の楽しみとなっています。
さてFISH HOUSEでは15年前に養殖岩牡蠣のはしりだった岩牡蠣「春香」を期間限定で提供しております。今年ももれなく身付が良く癖がない肉厚の牡蠣に仕上がっております。この時期ならではの春の岩牡蠣「春香」ぜひ味わってみてください!