舌の記憶の話

2019-1-22 Tue

Sorry, this entry is only available in Japanese.

味の好みは人それぞれ。これは、生まれ育った環境で変わってくると思います。今回は舌の記憶のお話です。

祖母と過ごす時間が多かった僕にとって母親の手料理の記憶は限られていますが、皆さんには、明らかに“我が家オリジナル”だったと思われる家庭料理はありませんか? 僕の家では「にんにくぱん」と呼ばれていたのがそのひとつです。

作り方はごくシンプル。多めの油をひいたフライパンに、バターとスライスしたニンニクを入れ香りが移ったら角切りにした食パンを加えて揚げ焼きしていきます。記憶では仕上げに塩をしていたような……。大きめのクルトンといえばイメージしやすいと思います。

とにかく子どもの僕にとってはすごく美味しく感じていたもの。大人になってから周りの人に、「こんな料理なかった?」と聞いても誰も知らなかったので、あのにんにくぱんは我が家オリジナルだったんだと判明しました。

でもどの家庭でも、そういうオリジナル料理はありますよね?

そんな舌の記憶が分解されて再び形になったのが、当店で提供している「牡蠣の香草パン粉焼き」。フライパンに油とにんにくみじん切り、そしてバターを入れて香りを移したらパン粉と刻んだナッツ、ドライフルーツに香草を加えて仕上げます。

牡蠣に乗せてオーブンでローストしたら完成です。色々なお皿に僕の思い出が詰まった当店のオリジナル料理、是非楽しんでみてくださいね!

ちなみに先日母に、にんにくパンの話をしたら『そんなのあったっけ?』でした……(笑)