日本国内はもちろん世界中の産地には、牡蠣の殻を剥く専門の仕事があります。今回は牡蠣を剥く仕事の話です。
広島では「打ち子(娘)」、東北地方では「剥き子(娘)」などと呼ばれ、水揚げされた牡蠣を剥き身にする仕事があります。それは日本に限ったことではなく、アメリカやヨーロッパでも同じ。特にフランスではキヨスクと呼ばれる売店などで牡蠣を剥いてその場で提供する「エカイエ」という専門職があるほどです。
以前アメリカの西海岸へ視察に行ったときに出会った女性、シンさんは、元某大手牡蠣養殖会社に勤務していました。1990年代には10年連続でワシントン州のオイスターフェスティバルの牡蠣開けコンテストに出場し、全て入賞。3回も金メダルに輝いた素晴らしい記録の持ち主です。
今ではワシントン州の小さな町「シェルトン」でシーフード専門のアジアンレストランを営んでいます。彼女は牡蠣開けコンテストに出場しなくなった理由を「出場者が“早く開けること”だけにこだわり、綺麗に剥くことを怠り始めた」と話します。確かに早いばかりで身に傷をつけては、美味しさも半減してしまいます。
僕が牡蠣を剥くポジションにつくスタッフ全員に伝えているのは、牡蠣は速く美しく剥けるようになることが大切。そしてそれは、専門職ならではの高度な技術であることを自覚するということです。
本日もおいしい牡蠣をテーブルへ届けられるよう、スタッフ一同一生懸命に頑張っています。牡蠣を目でも舌でも美味しく味わうなら、是非FISH HOUSEで!