地中海原産の黒い二枚貝、皆さんも一度は口にしたことがあると思います。今回は「ムール貝」のお話です。
もともと地中海に生息していたムール貝ですが、船底などに付着し拡散されたため、現在では世界中に分布し、港などでは必ず見かける貝の1つです。外来種で繁殖力も強く、養殖業を営む方々にとっては害虫の様な存在ですが、育つ海次第では非常に美味しく成長します。
今では日本でもこのムール貝を養殖する漁師さんがいらっしゃるそうですが、過密に養殖してしまうと身入りが悪くなり、味もいまいちなのが残念なところです。
当店で提供しているムール貝の殆どは養殖ではなく、牡蠣の養殖筏や器具に付着している物をわけて貰っています。なぜなら牡蠣の育つ場所は栄養が豊富だから。
FISH HOUSEでは毎年夏時期に京都丹後半島・伊根湾のムール貝を提供していましたが、今年は不漁との事で、なかなか夏のメニューに載せる事ができませんでした。
そこで現在当店で取り寄せているのが、北海道・噴火湾産のムール貝です。この湾は多くの河川から流れ込むミネラル、プランクトンが豊かな海で、ホタテの養殖でも有名な地。そんな海から届けられる貝は身入りも抜群で、大きさこそばらつきはあるものの、今しか堪能できない贅沢な食材です。
ムール貝は春先と秋に産卵をするので、今が栄養を蓄えたベストシーズンと言えるでしょう。この希少なムール貝、当店で味わってみたくなりませんか?