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種牡蠣の話

2016-9-13 Tue

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前回、「卵を持たない牡蠣の話」を書きましたが、今回は“卵から生まれる”種牡蠣のお話です。
日本に生息する真牡蠣は、海水温の上昇とともに海中で産卵し受精、そして「D型幼生」(ベリジャーという、貝類の幼生の中でも二枚貝に見られるDの字の幼生)になりしばらく漂った後、岩や防波堤などの硬い物質に付着します。それが育ち、「種牡蠣」となるのです。
日本の主な牡蠣の産地(宮城や広島)では昔から、産卵時期になると帆立の殻をつなげた「連」と呼ばれるものを海に沈め、それに付着したD型幼生を回収し全国の生産地へ種牡蠣として送っていました。育ち方は産地によって違い、例えば宮城の種は成長が早く殻が白っぽく、逆に広島は成長がゆっくりで黒っぽく縦縞模様が特徴。成長速度が違うので、養殖場によっては、シーズン前半は宮城の種、後半は広島の種と分けて出荷するところもあります。
最近は技術が進歩したことから、この2種類の種牡蠣を素に、人工種苗施設で種牡蠣を作ることもできるようになりました。大きな水槽の中に、砕いた牡蠣の殻に幼生を一粒ひと粒付着させ、2cm程度になるまで成長させてから海に沈める「シングルシード」と呼ばれる養殖方法も盛んに行われています。
今年のシーズンには、殻の特徴などを見て、ルーツを想像しながら召し上がってみてはいかがでしょうか。