シングルシードの牡蠣の話

2017-5-2 Tue

今まで何度もブログに書いてきた、牡蠣の養殖方法。今回は「シングルシード方式」にクローズアップします。
帆立の殻に牡蠣の稚貝を付着させ、筏に吊るして育てるのが「垂下式養殖」。これは、おそらく日本でもっとも主流な養殖方法でしょう。
一方、シングルシード方式というオーストラリアで開発された養殖技術があります。
そもそも牡蠣は、雌の卵と雄の精子が海中で受精した後、しばらく海中を浮遊してから岩や岸壁に付着します。
この段階になった牡蠣(幼生)と、帆立や牡蠣の殻を粉砕した物を水槽等に加えて、人工的に一粒ずつ付着させ、バスケット内で育て上げるのがこの方式です。
潮の満ち引きによってストレスを与えられる牡蠣は、垂下式のように長細くならず、丸みを帯び、深いカップになるのです。
こうして手間暇かけて育てられたこの牡蠣は、小ぶりで濃厚。この方法を日本で最初に取り入れ、一躍有名なブランド牡蠣になったのが、北海道で「カキえもん」です。
今では北は北海道、南は九州までメジャーな養殖方法になりつつあります。これも日本でオイスターバーという文化が根付き、需要が増えたからでしょう。僕たちにとっても、個性的な牡蠣が増えることは非常に楽しみです。
シングルシード方式で育てられた、今もっともおすすめしたい牡蠣は、長崎・有明海より運ばれてくる、小長井町のブランド牡蠣「華漣」です。有明海の旨味を全て濃縮した絶品で、お客さまからのリピートが非常に多い牡蠣となっています。
当店は、ゴールデンウィークも元気に営業中です。ゆったりした休日の昼下がりには、生牡蠣とキリッと冷えた白ワインがピッタリ。皆さまのご来店をお待ちしております!