カキえもんの話

2017-1-10 Tue

今回は「カキえもん」のお話。なんだか面白おかしいネーミングですが、これは北海道・厚岸町で育てられているブランド牡蠣の名前なんです。
アイヌ語で“牡蠣のある場所”を意味する「厚岸」は、汽水域である湖と厚岸湾とで成り立つ、豊富な栄養価に恵まれた海。ここで育てられている牡蠣は3種類あり、1つは宮城から半成貝(種牡蠣から養殖し、ある程度大きくなった状態の牡蠣)で運ばれ、最後の仕上げを厚岸で行う「ナガえもん」。もう1つは、宮城の種牡蠣を厚岸で育てる「マルえもん」。そして、厚岸生まれの厚岸育ちのカキえもんです。つまりカキえもんは“純厚岸産”牡蠣というわけです。
厚岸の地牡蠣は1980年代に謎の貝毒によって死滅したと言われていました。しかしそれを行政と漁師さんが手を組み復活させたのが、このカキえもん。シングルシードと呼ばれる養殖方法で育てられ、独特の深いカップの殻の中で、しっかりとした味に仕上がるのです。
今までもFISH HOUSEで取り扱ったことはあるものの、安定しない入荷状況と価格になかなか手を出せませんでした。また味も、お店によって全く違うものに思えてしまう不安定さが僕の中で価値を下げていたのです。
しかしこの度、安定的に供給していただける養殖者さまをご紹介いただき、改めてカキえもんを扱わせていただく事となりました。
手間暇かけて一粒ずつ育て上げられたブランド牡蠣、是非当店でご堪能下さい!