実はぼく、牡蠣を扱う以前は肉料理のほうが得意でした。今回はFISHHOUSEの肉料理のお話です。
料理を始めた当時はフランス料理しか知らず、前菜からデザート、魚に肉料理からソースと勉強に明け暮れた下積み時代でした。カナダに居た頃は特に長い時間を肉のセクションで過ごしたように思います。
北米は牛肉が特産ですが、僕がいたアルバータ州は特によく食されるエリア。住んでいたのはさらに山側だったので、鹿やトナカイ、野鳥にイノシシなどのジビエや、日本では珍しいバッファローの肉なども扱わせもらっていました。もちろん加工品のパテやソーセージなども当時のシェフに教えてもらいました。
帰国後も料理の勉強を続けていたのですが、たまたま日本でも肉を焼く“ストーブ前”にいた期間が長かった記憶があります。
しかし、牡蠣と出会ってからは牡蠣漬けの日々で、肉を扱うことから自然と遠のいていきました。開店当初は肉料理も用意はしていたのですが、なかなか定着せず、今ではほとんど扱わなくなっていました。もしかしたら、10年近く牡蠣と向き合いすぎて、他の食材を見渡す余裕がなかったのかもしれません。
実は最近古い友人から「FISH HOUSEって牡蠣以外は食べられないよね?」と言われ、少々偏っていたことに気づかされました。このままでは牡蠣やシーフードが苦手なお客さまの要望にお応えしきれず、限界を感じはじめていたのが正直なところです。
そこで、これからは昔の経験も活かしつつ、もう少し料理の幅を広げていくことにいたしました。多くのお客さまにもっと当店を楽しんでいただけるよう、たまには肉料理もご用意。
その時期によって内容を変えながら、幅広いメニュー構成で皆さまをお待ちしております。
ぜひ、牡蠣やシーフードが苦手なお仲間にもお声がけください!