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牡蠣とノロウィルスの話

2016-1-26 Tue

牡蠣に従事している限り無視できない、ノロウィルスの存在。残念ながら、牡蠣の美味しい時期=ノロウィルスが流行する時期なのです……。
初めてノロウィルスが発見されたのは、1970年代にアメリカ・オハイオ州のノーウォークという町で起きた、小学校での集団食中毒でした。このことからこのウィルスは長い間、この地名から取ったノーウォークウィルス、またはSRSVウィルスと呼ばれていました。
ノロウィルスは毎年新しい型が出るほど、常に変異しながら現在も進化を続けています。さらに厄介なのが人の体内でしか増殖しないということ。それも顕微鏡レベルのウィルスがたった10個でも、体内に入ればあっという間に増殖してしまい、24時間から48時間で発症。激しい嘔吐や下痢に発熱と症状は個人差があるものの、成人男性でも衰弱するほどの猛威です。
しかし、一体なぜ牡蠣を含む二枚貝が感染経路としてクローズアップされるのでしょうか?
牡蠣は海のフィルターです。海を綺麗にするため、1日に200~400ℓもの海水を体内でろ過して養分を漉しとって育ちます。勿論ミネラルや養分も摂取するのですが、汚れた海では汚染物も体内に取り込んでしまうのです。
下水処理場で取り除くことができず、そのまま海に流れ込んでいるノロウィルスは、人間が海を汚染した結果生まれてきた副産物なのです。
先日NHKのテレビ番組で牡蠣は被害者だと伝えられていました。まさにその通りだと思います。
しかし、こんなリスクを解っていてもやっぱり牡蠣が食べたくなりますよね。そこで当店では、産地に足を運び、直接海を見て、しっかりとした出荷体制が整っているか、さらに海域の検査や時には個体の検査までさかのぼって調べられる生産者様とお付き合いさせていただいています。
産直にこだわるのは、牡蠣が育った海の味を楽しんでもらいたいのは勿論ですが、徹底的に安全を追求したいという思いもあってのこと。これからも、足跡をたどれる牡蠣を、自信をもって提供させていただきます。